気づいたことまとめ 第4回美浜美術作家展8/9-18

新作「楽園Ⅱ」制作の舞台裏をお届けします。※書き切るまでぼちぼち更新します

【買ってよかったもの】

・でんぷんのり

リフトグランドエッチングのために使います。

テキストにはポスターカラーや水彩絵の具を使うように書かれていることがほとんどですが…

私のようにシルクスクリーンで転写すると、かなり多量のポスターカラーが必要になります。

ダイソーで売ってたポスターカラーの藍色(白色よりもリフトしやすいので藍色ばかり使ってた、理屈は不明)に食器用洗剤を微量垂らしたものを使ってたのですが、廃盤になったようでどこに行っても見つからない。

ポスターカラーに固執するなら他にも製品はあるけど、割高。代替品を探してたどり着いたのがでんぷんのり。

袋に入って80円程度、ドラッグストアでも見かけるでんぷんのりでリフトができることに気づいてしまいました。

無色透明だと作りにくいので、ポスターカラーや水彩絵の具を少し入れて着色。

使い心地は悪くない。

リフトしたあとがこちら↓ 

新しい金属版でつるつるしていたときは、水につけたらすぐにリフトできて感動した・・・

・カーペットブラシ

在庫処分で安くなってたのをGET。本来はペットの毛をかき集めるためのブラシだけど、中和後の洗いで活躍します。

腐食をすると金属がサビとなって剥がれ落ちていくんですが、これを落としきらないまま乾燥しちゃうとガッチリ固まって剥がれないという困った現象が起きます。

そのようにして溝が埋まっちゃうと美しいエンボスにならないので、これをどうにかして剥がす。ときには電動ハンドルーター(歯医者さんでよく見るやつに似てる)でガリガリ落とす。・・・めっちゃめんどくさい・・・

いろいろ試行錯誤した結果、中和後にちょっと無理してでも除去するのが一番と気づきました。でもこれが結構たいへん。素手だと指紋消えるし、手袋だとイマイチ。

そこでこのカーペットブラシ。水をざばざば流しながら版を撫でれば、ちょうどよく次々引っかかってサビが取れていくありがたい得物…!

欠点はグランドに細かな傷が入ることぐらい。でも素手でやろうがその問題はあったのであまり気にならない。

こんな感じで版ができました。この災害級の猛暑のおかげで、腐食が大変早く進みました。


【塩化第二鉄でわかったこと】

・空気に触れることでは劣化しない

半年前にバットに出して1回腐食した液を使ったけど、問題なかった

・液温が高いことで腐食が早く進む

夏に制作するとこういう利点がある。これだけの深彫りでもトータル2時間半。これは冬の半分以下の時間。カイロとかで温めても同じ効果が得られるのか気になっている・・・

・もこもことした彫り上がりになる&線が太くなる(横に広がる)

ひとによって好みは分かれそう。冬に腐食した「楽園Ⅰ」はざらざらと梨地のような感じ。なんとなく冷たい印象があります

・かなり劣化した液でも、何時間もつければ彫れる

これは夏のせいもあると思うけど、まだ使えそう。


順調に研究が進んでいます。いろいろ試してみればできるもんだなぁ・・・


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