自宅で作るには―第5回美浜美術作家展8/3−16

美浜美術作家展@なびあす
2024年8/3(土)-16(金)9-22時 月曜休館

新作展示しています。

今回のメインビジュアルは私の作品!この画像だとウラの水色部分がハネちゃってるな。

おとなしすぎて合わないかなと避けがちだった明朝体を使って、エモい夏の感じをテーマにデザインしました。第5回展なので作家紹介も。


【今回のテーマ】ワンルームで始めるエッチング

第3回のときにワンルームでのシルクスクリーンに取り組みましたが、そこで得た自信が今につながっています。

「この職業でないと作家活動が続けられない」ということはないはずだし、どこにいても・何をしてても自分らしく在りたい。そのためには自宅作業の比率を高めていかないと…という思いから、満を持してワンルームでのエッチングに挑戦しました。

これが実現すれば9割が自宅作業になる…

シルクスクリーンはリフトグランドエッチングのために使います

奥が腐食液、手前が中和液です。ビニールシートを敷いて、万が一に備えています。手前のゴム手袋は耐油性のものを探して購入。下には新聞紙を敷きましょう。

2つとも下水には流せないので、腐食液はポリタンク・中和液はバケツに集めておきます。

中和液は半年ぐらい放置して水分が抜けたら塊を燃えるゴミへ。腐食液はお住まいの自治体に相談してください。私は自治体の協力機関と産業廃棄物の契約をして、費用を払って処分をお願いしています。完全に中和しペレットにして大阪湾に埋め立ててもらう契約です。

さらに醤油で中和するんだけど、その時に剥がれたサビであちこち汚さないように苦労した…

次は醤油用のバットを用意して、濾してサビを完全回収するといいかな。

確かにやればできる。用具や材料の管理だけしっかりすれば、あとは言うほど苦ではない。

ただ…今回サビが多すぎた。これを剥がすのに相当時間を使ってしまった。そのままでも腐食自体は進むけど、ムラになって良くなかった。剥がすためのハンドルーターも買ったけど、クオリティアップのため真面目に解決したい。これは冬に向けての課題。

きれいに腐食すると灰色になります。まだらに残った茶色がサビ。

【サビが剥がれない原因を考察する】

・新しい塩化第二鉄を使った

これは普通のエッチングでも言われる。腐食が不安定になるので古い液を混ぜるといいらしいが…

・水深が浅かった

特大バットに2Lでは確かに浅かったかも。しかし途中から塩化第二鉄を増やしてみたが、あまり改善しなかった。

・サビを取りきらないまま腐食した

頑張ったけど、これホントに落ちない。第4回で導入したカーペットブラシで歯が立たない。もっと毛足の短いシリコンブラシを買ってみたけど、ぜんぜん落ちね〜〜〜〜〜!!!!

・最初から腐食の範囲が広かった

たぶんこれが正解に近いと思う…サビが剥がれて持ち上がるには広すぎたんじゃないかな…

あとから1cmぐらいの帯状にグランドを落とした部分はきれいに腐食してサビが剥がれてたから、この技法をやる上での限界というかそういうものがよぎった。

確かに広い面積そのままエンボスにするのは昔からうまく行かなかったな…版も弱くなるし、どこをどう腐食させるかはしっかり見通しをもたないとダメだ…


では次は12月、美術準備室展でお会いしましょう!新作頑張ろう!


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